デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

哀川翔、男劇場開幕。 極道黒社会 RAINY DOG

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『媚びるな!お前は犬じゃない!』

哀川翔、男劇場開幕です。

「極道黒社会 RAINY DOG」

(1997年/三池崇史監督)


雨。台北。東京で下手打って逃げてきたヒットマン優児(哀川翔)。

「あんたの息子よ!」と突然押し付けられた口の利けない少年。

「お前は俺のムスコだ」と言い、次々と暗殺の指令を出す台湾マフィアのボス。

焼けたドラム缶に爆ぜる雨の滴が、パーカッションのようにリズムを刻みます。

そして、台湾マフィアの「手打ち」の代償として見捨てられた優児の反撃。

翔さんだけではありません。敵役も名台詞で男劇場に華を添えます。

『眼を逸らすな!悲しみからも。怒りからも。憎いか、俺が。なら、強い男になってこの俺を殺しに来い。この街で、待ってる』

口の利けない少年というモチーフは男の通過儀礼として「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」でも使われていました。少年の「成長」は三池監督お気に入りのプロットなのかもしれません。


※参考:「いやあ愛おしいなあ スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」
     →2008年6月16日
    「英語か、日本語か。 スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」
     →2008年6月29日