でっけー円盤が飛んでくるだけが侵略じゃありません。
太陽燦燦のサンフランシスコをここまで寒々と撮った人がいたでしょうか。
「SF/ボディ・スナッチャー」(1978年/フィリップ・カウフマン監督)
原作はジャック・フィニイの「盗まれた街」、オリジナルは1956年の「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(ドン・シーゲル監督)。
お話はシンプル。ふと気付いたら、周りの人が皆別人になっててびっくり仰天。
この手の「侵略SF」としては、51年の「遊星よりの物体X」がありますし、日本でも「吸血鬼ゴケミドロ」とかウルトラセブンの「あなたはだあれ?」(どちらも68年)があるので新鮮さはありませんが、カウフマンが手堅い演出でグイグイ魅せます。
ブタの鳴き声を加工したようなうめき声をあげて追いかけてくる集団がえらいこと不気味。異分子を追い詰める差別感がある分、「走るゾンビ」よりこっちの方が怖いです。
突然登場した「人面犬」は「悪魔のワルツ」(71年)リスペクトでしょうか。
あと、公衆衛生調査官役のドナルド・サザーランドの職場に貼ってある「地球の友」って標語(習字?)が気になって仕方ありません。ハエ男、若いなあ。
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