初めて観た時は「こりゃ面白い!」と思ったのですが、日が経つにつれて「いや、やっぱり違う。これはロックじゃねえ」という思いがムクムクと。
「スクール・オブ・ロック」
(2003年/リチャード・リンクレイター監督)
(2003年/リチャード・リンクレイター監督)
ここに登場する子供達は皆金持ち、坊ちゃん嬢ちゃん。
家族皆で楽しめる「ファミリー映画」という枠の中の「学校」という体制の中で裕福な人間が予定調和的に語るロックって何でしょう。
むしろ、イカ天時代の心情をアイロニカルに切り取ったこっちの方がよりロック的なのではないかと。
主人公は音楽や恋愛に対する想いを吐露しまくり、彼にだけ見えるボブ・ディランの幻影が導師のように男の生きざまを自身の歌で伝えていきます。
要所要所を締めるのがディランの歌詞なので、作りとしては実に卑怯ではありますが。
♪できることはやらなきゃいけないことなのさ。だからうまく行くんだよ。
♪人は自分の属さない所に行ってはいけない。道の向こうの家を天国と間違えるな。
♪愛しかない。それが世界を動かしている。愛、そして愛だけだ。だから全てを与えてくれる人がいたら心して受け取り、決して手放してはいけない。
そう言えば、某映画誌でみうらじゅんは2004年のworst2に「スクール・オブ・ロック」を挙げておりました。やはり「違う」ということでしょうか。