ハラム(ベニチオ・デル・トロ)は元特殊工作員。コソボ紛争の英雄でしたが今はネジの外れた殺人機械。
L.T(トミー・リー・ジョーンズ)は、殺人機械を育てた鬼教官。今はカナダで野生動物の保護官ですが、オレゴンで起きた連続殺人事件を教え子ハラムの仕業と見抜きます。逃げるハラム、追うL.T。
おお、これは“ランボー対トラウトマン大佐”ではございませんか。
「ハンテッド」(2003年/ウィリアム・フリードキン監督)
スピード感を欠くのが難ですが、徒手空拳な追跡劇は「いい感じ」です。
L.TとFBI捜査官のお姉ちゃんの間に要らん対立関係がなく、ハラムとのタイマン一本に話が収斂していく様が実に心地良い。
ハラムは鉄を溶かし、L.Tは石を削ってナイフを作ります。よく考えれば「何故そこでナイフ?」なのですが、観ている時は「うん、男たるもの最後の勝負は手作りナイフだよな」とか妙に納得。
殺しのプロが本気を出したら警察もFBIも瞬時に死体という匠の技を楽しみましょう。