『私は超能力を信じていません。まやかしだと思っています。ご理解を』
(I don't hold an ounce of confidence in the paranormal in general. I think it's a sham. I hope that's okay.)
『構わんよ。私も分析医を金の亡者だと思っている。与えず奪うだけの、ね』
(No problem at all. I feel the same about shrinks. After only one thing, your money. Give them your little finger, they'll take your whole hand. )
『ヤブ医者しか知らない人が言いそうなセリフね』
(Whoever said that has obviously never met a good one. )
『フロイトの言葉だよ』
(It was Sigmund Freud. )
※全くの偶然ですが、本日9月23日はジークムント・フロイトの命日です。
もし、「デッドゾーン」のクリストファー・ウォーケンが死なずに生き続けていたなら。
もし、「セブン」のブラッド・ピットとケヴィン・スペイシーが互いにクリストファー・ウォーケンのような予知能力者だったとしたら。
やはり行きつく先は悲劇だったでしょうか。
「ブレイン・ゲーム」
(2015年/アフォンソ・ポヤルト監督)
安いにも程がある邦題ですが、原題はsolace(名詞で「慰め・癒し」、動詞で「慰める・苦痛を和らげる」)。
動機不明、関連不明な連続殺人事件に挑むFBI女性捜査官に協力するアンソニー・ホプキンスという図式はまんまアレですが、捜査官が精神分析医、ホプキンスが予知能力者という呉越同舟設定が新機軸。
捜査官キャサリン(アビー・コーニッシュ)は、超能力をFAKEでもFALSEでもなくSHAM(相手を騙す悪意がある偽物)と言い、ジョン(ホプキンス)は精神分析医をPSYCHOANALYSTではなくSHRINKSというぶしつけな言葉で表現しています。
何気に挨拶が嫌味の応酬になっているのが面白いですね。
ジョンの能力は相手に触れるだけで、その人の過去・現在・未来が見えてしまうというもの。
キャサリンが、そして、ジョンに協力を求めてきたFBI特別捜査官ジョー(ジェフリー・ディーン・モーガン)がジョンに触れた瞬間…。
一見、無秩序に思えた事件に関連性を見出し、確実に犯人を追い詰めているかと思いましたが、全ては犯人の掌(てのひら)の上でした。
ジョンと同等、いやそれ以上の予知能力を持つ犯人チャールズ(コリン・ファレル)の真の狙いは…。
追う者と追われる者がテーブル挟んで対峙する…ちょっと「ヒート」っぽい。
ジョンとチャールズの関係が「セブン」っぽいな、と思ったら、元々「セブン」の続編として書かれた脚本をオリジナルに起こし直したものだそうで。
因みに元タイトルは「Ei8ht」。主役はサマセット刑事(モーガン・フリーマン)で、彼がサイキック・パワーを持っているという超展開(嘘ぉ!?)。
このぶっ飛び設定にデヴィッド・フィンチャーが難色を示して単独企画になったんだとか(それはそれで観てみたかったような…)。
本国での評価は今ひとつふたつみっつだったようですが、地味な話を役者の存在感で魅せ切ってしまう剛腕な佳作であったと思います。
★発想の元ネタは…
★関係性の元ネタは…
★比較的最近のアンソニー・ホプキンス
★比較的最近のジェフリー・ディーン・モーガン
★コリン・ファレルと言えば…
★アビー・コーニッシュってリメイク版ロボコップのマーフィ嫁でしたね(何気にバーホーベンリメイク企画関係者が二人も…)