デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

祈り。 グライド・イン・ブルー

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エンドクレジットで延々リフレインされるコーラス“♪God Bless America”。

ふと「ディア・ハンター」のラストを思い出してしまいました。

これも祈りの映画なんだなぁ、と。

「グライド・イン・ブルー」

(1973年/ジェームズ・ウィリアム・ガルシオ監督)


アリゾナ。モニュメント・バレー。あるのは岩と道と青い空。

いつか殺人課の刑事になることを夢見る白バイ警官ジョン(ロバート・ブレイク)。

跨る愛車はハーレー・ダビッドソン/エレクトラ・グライド。

ジョンが携帯しているのは、銃身と弾装をクローム塗装したパイソン357(監督が“僕の”と言っていたので、私物-本物-なのでしょう)。

マグナムの出番なんかあるはずのない砂漠の一本道。その近くの小屋で自殺に見せかけた殺人事件が。

念願の殺人捜査。しかし、そこにあったのは・・。マグナムが撃ち抜いたのは・・。

ラストのロング・ショットが有名ですが、引き放題引いた所で一羽の鷲がフレーム・イン。神憑りです。

まるで魂を引き取りに来た神の使い。そのストップ・モーションに被さる「Tell Me」。

夢も理想も信念も砕いて飲み込む病める大国。「イージー・ライダー」の陰画紙と呼べるアメリカン・ニュー・シネマです。

・・あ、ヒッピー・コミューンの若者の中にニック・ノルティの姿が・・。