デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

Wガバメント乱れ撃ち。 ラストマン・スタンディング

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『丸腰の相手を背中から撃ったりしないよな』
平気で撃つぜ
 
(Maybe you're the kind of guy... who'd shoot an unarmed man in the back)
(I've done worse than that)

元ネタ(あるいはその無許可リメイク)と比較しても益があるとは思えないので、これはこれで楽しむのが吉。
 
 
禁酒法時代。メキシコに程近いテキサスの田舎町ジェリコ
 
酒の密輸ルート確保で対立している2つのギャング組織をジョン・スミス(鈴木一郎とか山田太郎みたいなニュアンスでしょうか)と名乗る流れ者(ブルース・ウィリス)が…ってまあ後の流れはオリジナルとほぼ同じなので割愛。


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ライ・クーダーの音楽が聞こえてきそうな、いかにもウォルター・ヒルな画。
 
スミスの得物はダブル・ガバメント
 
これを後先考えず撃つ撃つ。一発必中とか一撃必殺の真逆。弾丸の数で全てを誤魔化してしまおうと思っているかの如き乱れ撃ち。
 
幸いな事にダブル・ガバメントを乱れ撃った事も乱れ撃たれた事も無いのでアレですが、ガバで撃たれたくらいであんなに景気よく(まるでワイヤーで引っ張られたかのように)すっ飛んだりはしないと思うのですが、そこはまあ、映画的演出ということで。


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ちゃんとテーブル一杯に並べた弾丸をちまちまと予備弾装に詰め込んでいくカットもあり、それなりに気は使ってくれているようです。


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卯之助担当がクリストファー・ウォーケン(スミスに負けじとトンプソン乱れ撃ち)、新田の丑寅担当がデヴィッド・パトリック・ケリー(「ウォリアーズ」で瓶カランコロンしたり、「コマンドー」で崖からポイされちゃう人ね。相変わらず偏執的なキャラで好感度アゲアゲ)。
 
買収されているけど実は結構イイ奴な保安官、ブルース・ダーンを含めて、役者も皆いい感じです。


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残念だったのは全編に渡ってスミスのモノローグが被っていること(「ブレードランナー【劇場公開版】」な感じ)。
 
あまりに説明的で即物的。ここは、スミスを謎の流れ者で押し通すためにも、モノローグ無しで(「ブレードランナー【最終版/FC版】」な感じで)演出して欲しかったです。
 
ヒルの映画なんだからもっと記号的、戯画的にしてしまっても良かったのではないかと思います。

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