デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

これは確かに痛恨だ…。 殺人遊戯

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一匹狼の殺し屋・鳴海昌平(松田優作)を主人公にした遊戯シリーズ。何故か2作目だけご紹介しておりませんでした。
 
ハードボイルドなストーリーに程よいアクションとコメディを融合させた1作目「最も危険な遊戯」と、完全にハードボイルド側に振り切った3作目「処刑遊戯」に挟まれてちぃっと分の悪い2作目、それが、
 
「殺人遊戯」1978年/村川透監督)
 
1作目の「人間の証明」ネタを引っ張ってか、麦藁帽子が鳴海の基本アイテム。これにランニング、綿パンに草履を加えて基本ファッション完成。
 
ただし、小ネタは「野生の証明」がメイン。
 
アップテンポにアレンジされたテーマ曲は完全に「ルパン三世」(使い回しと言っていいレベル)。
 
殺しを一緒にするわけではありませんが、相棒的存在として阿藤海が(合掌!)。
 
ハードボイルドとコメディの微妙な距離感。本作の印象を薄~くしている原因はそこいら辺にあるような気がいたします。
 
お話は現代版「用心棒」。敵対するふたつの組から仕事を請け負った鳴海が双方を壊滅に導くのですが、さほど戦略的に動いている気配はなく、至って一本調子。
 
相手が一人ずつ登場しては鳴海に撃たれ(ドア越しに撃たれた者は自らドアを開けて出てきた上で見得を切って)息絶える、という演出は好き嫌いの別れる所ではありますが、この時代の雲気(あるいは様式美)だと思えば味わいです。
 
問題は銃器の扱いに関する致命的な演出ミス。
 
中盤でM29を失った鳴海はクライマックスではガバメントを使用するのですが、何と十数発撃った後、手動でフレームを連続スライドさせて薬莢をまとめて排出。


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ちぃっと判り難いですが、右が問題のシーン。
 
いくらブローバックしないステージガンとは言え、これはオートマチックの構造上有り得ない行為。今回改めて確認しましたが、確かにこれは痛恨。
 
遊戯シリーズにはガンエフェクト(もしくは銃器アドバイザー)のクレジットがないのですが(トビーさんじゃないのか)、役者にとっても演出家にとっても黒歴史なのではないでしょうか。
 
とは言え、この反動で蘇える金狼」「野獣死すべしのフェッティシュな銃器シーンが生まれたと思えば価値あるシーンなのかもしれません。
 
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