デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

最低という賛辞。 プラン9・フロム・アウター・スペース

イメージ 1


まずは「エド・ウッド」👇を観ましょう。これは予防接種です。

 


観ました? エド・ウッドの顔がジョニー・デップとイコールになりました?

貧困と薬中に喘ぎながら、全盛期が忘れられず、しかし役者としての矜持は失わなかった、ベラ・ルゴシの生き様に涙しました?

はい、準備完了です。じゃ、いきましょう。

 

「プラン9・フロム・アウター・スペース」

(1959年/エド・ウッド監督)


1980年「ゴールデン・ターキー・アワーズ」という本で“最低映画”に認定された由緒正しい駄目映画です。

地球の兵器開発に警鐘を鳴らすためにやって来た宇宙人が、自らの存在と力を示すために死者を蘇らせる・・・と書くと「地球の静止する日」みたいですが、いやいやいや。

学習机を並べただけのコクピット(しかも操縦桿はただの板だ!)、灰皿にしか見えない円盤、ダンボール製の揺れる墓石、もはや前衛の域に達している台詞と演技。

ベラ・ルゴシは撮影前に死んでいるので、生前のフィルムと似てない代役を無理矢理繋げて・・・と書くと「死亡遊戯」のようですが、いやいやいや。「死亡の塔」のレベルまででも200万光年はあります。

感心したのは、「エド・ウッド」に出てきた役者が実に本人達に似ていた事(「エド・ウッド」が凄いのであって、「プラン9」が凄い訳じゃないですが)。

残念だったのは、「エド・ウッド」の試写シーンには映っていたかっちょいいオープニング(「エド・ウッド」のオープニング自体が、この映画のパロデイ)がWHDジャパンの廉価版DVDでは丸々欠落していた事(つまりタイトルが出ない)。

完全版が観たいなあ(←本気か?)。