この映画撮ってる間、ティム・バートンは凄く幸せだったんじゃないかと思います。
「エド・ウッド」
情熱満点・才能赤点な史上最低の監督、エド・ウッドの半生を実に「いい感じ」の暖かさで描いています。
これとか「ギルバート・グレイブ」とか観るとジョニー・デップって「いい役者」なんだなぁと思います。なんで海賊なんかやってるんだべ。
ベラ・ルゴシ役のマーティン・ランドー、最高です(いや、ベラ・ルゴシという存在が最高なのかもしれません。晩年の姿はちょっと泣けます)。
「トゥルー・ロマンス」のアラバマ同様、今回もパトリシア・アークエットは、“映画オタクの女神”です。
何せ、プロポーズの前に「女装が大好きなんだ」と告白されて、一瞬躊躇するものの「OK」と言ってくれるんですから。
バーでエドがオーソン・ウェルズに会うのはバートンの虚構ですが、この嘘は「買い」。
『自分の夢を撮るんだ。他人の夢なんか撮るな』
ロッキー・ホラー・ショーの“夢見てないで、夢になるの”(Don’t Dream It, Be It)を思い出しました。彼も女装癖の宇宙人(フロム・アウター・スペース)でしたね。
オカマの友人、色盲のカメラマン、インチキ預言者、全ての登場人物にバートンの愛情が注がれています。