デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

英国発“実話だと?”なホラー50選とエド・ゲイン研究序説

イメージ 1英国TOTALFILMが、“実話を基にしたホラー映画50選(50 Horror Movies Based On True Stories)”を発表しました。

この“実話を基にした”ってのがなかなかに曲者で…。

何はともあれランキングを眺めてみましょう。

1位「悪魔のいけにえ」、2位「ジョーズ」、3位「エクソシスト」。ここいらへんはまあいいとして、

5位「人喰いアメーバの恐怖(マックイーン絶対の危機)」。

ほほう、いつ地球にゼリー状の侵略者が来たと言うのかな?

隕石にゼリー状の付着物があるのは一般的に知られている事らしく(俺は知らんかったがな)、“スター・ゼリー”と呼ばれているんだそうで。

で、1950年にフィラデルフィア警察が結構大玉なスター・ゼリーを発見したらしいのですが、運ぼうとしたらパチンと砕け散ってしまったんだとか。

で、この新聞記事にインスパイアされて作ったのが「THE BLOB(1958)」。

つまり、東スポの記事読んで「おお、閃いちゃったぜい!」な奴も“実話ベース”に含めているんですね。

7位「チャイルド・プレイ」(ブードゥーを操る看護婦の話読んで閃いた)、22位「エルム街の悪夢」(LAタイムスの“カンボジアの移民たちが悪夢に苛まれて死んだ”という記事見たクレイヴンが「これだ!」)…いや、それ実話ベースって言わないだろ。

※全部見たい人はこちら→http://www.totalfilm.com/features/50-horror-movies-based-on-true-stories

で、ざっと見た時、やはり目に留まるのが「悪魔のいけにえ」(1位)「サイコ」(10位)「羊たちの沈黙」(11位)そして「ディレンジド」(50位)。

何を今更ですが、これら4本の映画は全て同じ話を元ネタにしています。

ご存知“エド・ゲイン事件”です。

エドワード・ゲイン。1906年8月22日生まれ。ウィスコンシン州ブレインフィールドというライ麦畑以外なぁんにもない田舎町で「セックスは罪!」という禁欲的な母親に育てられました。

1944年に母親が脳卒中で死亡。元々頭の弱かったエドはこの辺りから現実と妄想の区別がつかなくなっていったようです。

1954年に酒場を営む中年女性メアリー・ホーガンが行方不明に。3年後の1957年11月には金物屋を営む中年女性バーニス・ウォーデンが行方不明。

金物屋にあった唯一の伝票に記載されたエドの名前。その日のうちにエドの自宅に踏み込んだ保安官はこの世のものとは思えぬ光景の数々を目にします。

Y字型に逆さ吊りにされ、股間から胸までを真一文字に(恐らくはチェンソーで)刻まれた全裸女性の解体死体。

頭蓋骨で作った皿、人骨のランプシェード、人の皮を張ったソファ、着ると女性に変身できるおっぱい付の人皮チョッキ、干し首、人皮マスク、切り取られた性器、鼻etc.、etc.。

対して母親の部屋は死んだ日のままの状態で保存・封印されておりました。

どの部分がどの映画に引用されたか分かりますよね。

「ディレンジド」はメジャーな作品ではありませんが、エド・ゲイン事件そのものをまんま映像化した(文字通りBased On True Storiesな)映画です。

写真1枚目はエドくん本人、2枚目が「ディレンジド」のエドくん、そして3枚目が偶然見つけた「エド・ゲイン・アクション・フィギュア」。

なあ、この人形使って一体どんな遊びに興じろと言うんだ。

※本頁の参考文献サイト: http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/murder/text/gein.html