
ピーター・オトゥール追悼時に御紹介済ですが、改めて観直したので再レビュー。
「スタントマン」(1980年/リチャード・ラッシュ監督)
ちょいと成り行きで警官を殴ってしまいお尋ね者となってしまったキャメロン(スティーヴ・レイズバック)が迷い込んだ映画の世界。
仕切っているのは勿論監督。エキセントリック大王イーライ・クロス(ピーター・オトゥール)。

警察に追われてるんだろ? 大丈夫、悪いようにはしないから。すまんがちょっとそこから飛び降りてくれないか。
鬼か悪魔かオトゥールか。キャメロンは匿ってもらう代わりにスタントマンに。
ちゃんとスタントコーディネーターがついて教育してくれ、安全配慮もされて賃金も支払ってもらえるので悪い話ではないのですが、オトゥールが言うと悪魔の囁きにしか聞こえません(笑)。

撮影の裏側も見れますし実に雰囲気のある映画なのですが、131分は長い。
30分削って100分程度に納めたら傑作になったと思います。
オトゥールは71年「マーフィの戦い」、72年「ラ・マンチャの男」、78年「パワープレイ」、そして80年に本作と「カリギュラ」。
エキセントリック街道を駆け抜けた10年でした。
不幸ななんちゃってスタントマン、キャメロンを演じたスティーヴ・レイズバックは、この4年前に「ヘルタースケルター」でハーレムを作り、5年後の「スペースバンパイア」でマチルダ・メイと裸で抱き合ったまま宇宙の彼方に消えて行った幸せ者です。

2000年には「エド・ゲイン」でエド・ゲイン演ってますね(製作総指揮も!)。
ひとりでチャールズ・マンソンとエド・ゲイン演った役者って彼くらいではないでしょうか?

