デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ロジャー・コーマンだ!頭使って金使わず! 血のバケツ

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「(撮影が)早い!(制作費が)安い!(作品が)面白い!(しかも大量生産)」

B級映画の吉野家ロジャー・コーマン」珠玉の一発。

のバケツ」 (1959年/ロジャー・コーマン監督)

芸術家(気取り)の連中が語らっているカフェのウェイター、ウォルター(ディック・ミラー)はチビでノロマで臆病者。いつもみんなの笑いもの。

『くっそー、俺だっていつか立派な彫刻家になったるぞぉ』

ある日、ウォルターはうっかり大家の猫を刺殺。焦ったウォルターは、猫を粘土で固めて彫刻に。タイトルは「死んだ猫」。

これをカフェに持っていったら「素晴らしい!」と大人気、大評判。

『やったー!これで俺も芸術家だ。ようし、もっと作るぞー』

しかし、カフェのオーナーは気づきます。彫刻から猫の毛がはみ出ていることに。

『あいつ・・・まさか・・・』 そこへウォルターの新作が!

『今度は、等身大の男を作ったよ。タイトルは“殺された男”』

『!!!』

おどろおどろしいタイトルがついてますが、直接的な殺人シーンや、彫刻の製造工程の描写はありません。

内気な青年が「一目置かれたい」ばかりに彫刻作り(=人殺し)に精を出す様をコミカルに描く「狂った」映画です。

紋切り型にも程が或るひねりの無いオチが残念ですが、「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」のセット使い回して5日で撮ったという匠の技をご堪能ください。