「ストーカー少女の妄想が炸裂するダークファンタジー」と勘違いして叶井俊太郎が買い付けたらミニシアターで16億円の大ヒット。
ストレート・ボブの救世主は、傾きかけたアルバトロスの屋台骨を超合金フルメタルジャケットにしてしまいました。
「アメリ」(2001年/ジャン=ピエール・ジュネ)
妄想、現実逃避、尾行、のぞき、騙し、住居侵入・・・アメリのみならず登場人物の行動は実にとんでもない事ばかりなのに、全てが「陽転」しているという恐ろしい映画。
ほぼ同じ環境(母親がなく現実逃避型で尾行癖がありオタクに恋する)にありながら、事態がことごとく「暗転」していく「ゴーストワールド」と好対照です。
これがフランスとアメリカの(オドレイ・トトゥとソーラ・バーチの?)違いなのでしょうか。
「妄想女のサイコ・ホラー」を “綺麗な絵と末節なエピソードの羅列と小粋なナレーション”で巧みにカモフラージュして「お洒落でPOPな恋愛映画」に仕立てています。
オタクにとってはおとぎ噺のような映画です。