東映の三角マークが子牛の焼印押しのように刻まれたSF冒険活劇。
「宇宙からのメッセージ」
(1977年/深作欣二監督)
32年ぶりに再見しましたが、いやあ、こっ恥ずかしいですねえ。
顔面銀塗りの成田三樹夫、その「母」親が天本英世(常軌を逸したキャスティング)!
何気にヴィック・モローとかも出ています(声は若山弦蔵先生だ!)
台詞回しは時代劇(完全に柳生一族の陰謀)。SF考証に野田昌宏が入っているのに科学考証ゼロ(野田氏は小松左京にSF作家協会除名を勧告されたらしい)。
スペース・アドベンチャーというスケール感と邦画の貧乏臭さ、スターウォーズと里見八犬伝がアウフヘーベンされた奇天烈アクション大作です。
石森章太郎も加わったメカデザイン、中野稔が担当した視覚効果はグッジョブ。シュノーケル・カメラも効果抜群。とても「スターウォーズ」公開前のやっつけ仕事とは思えません。
ガバナス戦艦のデザインや離発着はノストロモ号に影響を与えていると思いますし、惑星要塞の中心部に戦闘機で突入して動力部分に直接攻撃を仕掛けて惑星ごと爆破するという展開は、本家スターウォーズが「ジェダイの復讐」でパクってます。
今観ても赤面シーン連発ですが、何故か憎めません。志保美悦子かわいいし(真田広之はブサイクだけど)。
ところで、地球軍の宇宙戦艦が原爆型ミサイルを使用する際、一瞬原爆の映像が挟まれるのは監督のこだわりだと思いますが、あれだとジルーシア人も全滅なんでないかい?