原作者がメガホン取るとロクな事にならないってのは洋の東西を問わない「法則」ですが、数少ない例外がこの人。
マイケル・クライトン。
30歳でいきなり「ウエスト・ワールド」ですからね。で、「コーマ」「大列車強盗」を挟んで撮ったのが、
「未来警察」(1985年/マイケル・クライトン監督)
ロボットを操る凶悪犯罪者と警察特別班“ランナウェイ・スクワッド”の攻防、と書くとパトレイバー+西部警察のような派手なものを期待してしまいますが、これが凄~く地味。
出てくるロボットもなんか秋葉原で部品買ってきたら出来ちゃいそうなちょぼいモノばかり(リアリティがあると言えなくもない)。
さらに主役のトム・セレック(バート・レイノルズの偽者みたいな人)がB級の誉れを上塗り。
この作品が(極めて狭い範疇で)語り継がれているのはひとえに、ロボット犯罪者、ジーン・シモンズの存在による所が大きいでしょう。
言わずと知れたKISSの火吹き血垂れベーシスト。非の打ち所のない悪人顔。のくせにどこかインテリ(絶対トム・セレックより頭良い)。
ジーンはルドガー・ハウアーの「WANTED」でも“アラブの爆弾テロリスト”という素敵過ぎる役を楽しげに演じておりました。
マイケル・クライトンは88年の「証人を消せ/レンタ・コップ2」(こっちは本物のバート・レイノルズ主演)という「ええっと・・何?」な作品を最期に監督業から足を洗っておりますが、死ぬ前にもう一本くらい監督作を残して欲しかったと思います。