お父さん世代を狙ったのは分かります。ただ、この脚本はちょっと・・。
(2008年/八木毅監督)
ヒーロー全員がヒロインとペアで登場という盆暮れ正月が一緒に来たような賑々しさ。
ご丁寧にもナレーションは石坂浩二。郷秀樹は坂田モーターズで流星1号作ってるし(壁には岸田森の遺影。号泣)、北斗もちゃんとパン屋やってます(夕子もしっかり元看護婦設定)。
更に万城目淳(佐原健二)まで登場するという念の入れよう(結構ツボ)。
目配せは万全。オールドファン感涙の布陣です。これで脚本が良ければ言うこと無しだったのですが・・・。
もう兎に角、時間軸が滅茶苦茶。タイム・パラドックス超テキトー。
ダイゴ(V6長野)が少年期に「ウルトラマン」第1話を見る所から話が始まりますが、これ1966年ですよ。この時ダイゴ8歳としても2009年で51歳。さすがジャニーズ若作り(2日続けて歳の話ですみません)。
で、舞台は「ウルトラマンはテレビのヒーローで実在はしない」というパラレル・ワールド設定なのですが、だったら、ハヤタやダンは存在しなくても黒部進、森次晃司という役者はいるはずですよね。
その当人がハヤタ、ダンの名前で普通に生活している世界っておかしくないか?
元々、嘘に嘘を上塗りするような話なのですから、基礎工事はしっかりやっておかないと最低限のリアリティも確保できません。
もうラストの「オーディン」と「宇宙からのメッセージ」を足して床に叩きつけたような展開は“横浜開港150年記念事業”という政治的背景を考慮してもドン引きです。
CGが進化した分、空中戦という新機軸ができましたが、代わりに職人手作業のミニチュアワークが大幅退化。
地盤が沈下するカットとか目を疑いました。「海底軍艦」100回見直しの刑です。
因みに個人的ベストシーンは、ミライが郷に放った『ジャック兄さん!分かりませんか?じゃあ新マン兄さん!帰りマン兄さん!』・・・爆笑です。