デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

荒涼…渋い寒い暗い。 NARC/ナーク

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なんと言うか“心の荒地”を歩いているような索漠としたサスペンス・ミステリーです。

「NARC/ナーク」
(2002年/ジョン・カーナハン監督)


麻薬潜入捜査官ニック・テリス(ジェイソン・パトリック)は犯人追跡中に妊婦撃って停職。復職の条件は手詰まりになったマイク・カルベス刑事殺人事件の担当。

カルベスはニックと同じ麻薬潜入捜査官。捜査の相棒は“ちょっと粗暴で情緒不安定”なヘンリー・オーク刑事(レイ・リオッタ)。

矛盾する証拠、喰い違う証言・・ラショーモン・スタイルを踏襲しながら、実像に迫る二人。死者の名誉、刑事の矜持、遺された者の苦悩、各々が守ろうとしたものとは。

ジェイソン・パトリックは「スピード2」というド派手な映画で主演していながら、あまりに地味ぃな風貌のためにビタ一文記憶に残らない不幸な俳優ですが、その地味さが今回はプラスに作用しています。

レイ・リオッタは「ハンニバル」で脳味噌調理されちゃう不幸な俳優ですが、今回はポパイ刑事とタメ張る粗暴さを発揮しています。

聞き込みのシーンがスプリットから四分割になるのですが、4つの台詞が音楽に被るとラップに聴こえてあら不思議。

ちょっとダウナーになるくらい渋くて地味ですが、終わった瞬間、ふっと息がもれました。肩に力入ってたんですね。