デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ブルックリンはバッドエンドの見本市。 クロッシング

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『神の赦しなんかいらない。俺が欲しいのは神の助けだ!』
I don't want God's forgiveness. I want his fuckin help!

妻の健康と家族のためにどうしても新しい家が欲しい麻薬捜査官・サル(イーサン・ホーク)。

妻に見限られ、昇進のために友を売る事を迫られる潜入捜査官・タンゴ(ドン・チードル)。

そして、事なかれ主義を貫いて生きてきた駄目警官・エディ(リチャード・ギア)。

ブルックリンの犯罪多発地帯に生きる3人の警察官。その人生の交錯。

クロッシング
2009年/アントワーン・フークア監督)


いかにも3つのストーリーが最後ひとつに収斂されるかのようなタイトルですが、正確にはクロッシングではなくニアミス。

薄給の麻薬捜査官に新居の頭金なぞ揃えられるはずもなく、いきなり組織の集金屋ぶっ殺してアガリを掠めるサル。

弾の入っていない拳銃を口に咥えては引き金を引いている自殺願望丸出しのエディ。

 

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命の恩人でもある組織のリーダー、キャズ(ウェズリー・スナイプス)と過ごすうちに善と悪の境界線が曖昧になっていくタンゴ。

もうどこをどう切ってもバッドエンドのフラグしか見えません。

定年1週間前に新人警官の教育を任されるとかどこの「センチュリアン」ですか(あるいはどこの「カラーズ」ですか)。

にしても役者が豪華だなあ。そして巧い。中でも昇進をエサにタンゴにキャズを嵌める罠を持ちかける捜査官スミスを演じたエレン・バーキン。常に命を的にしているタンゴに向かって、

 

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『あなたのおかげで出世したわ。ありがと。家も買えちゃった』

下手な悪役が裸足で逃げ出す憎々しさ(心拍数あがりましたわ~)。

原題は「BROOKLYN'S FINEST」。FINESTは最上級、ではなく米口語で「警察官」。ブルックリンに生きる警察官の人生はハードです。

 
★ご参考


 

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