「ファイト・クラブ」の語り口で「マトリックス」を焼き直し「カンフー・ハッスル」で味付け・・た後500倍に希釈。
「ウォンテッド」
(2008年/ティムール・ベクマンベトフ監督)
スナップを効かせると弾道が弧を描くという「物理って何?」な設定が素敵。
訳の分からない液体に浸かると打撲も骨折も数時間で直るという「医学って何?」なロシア風呂も堪りません。
アクションも文句無し。これでもうちっと脚本が良けりゃ言う事無しなのですが。
超一流暗殺者のDNAに目覚めたボンクラ野郎の大冒険…なのですが、人も組織も薄い薄い。
いくら荒唐無稽たって、人間の行動にはそれなりの説得力というものが要るでしょう。
あと無関係な人&生き物殺しすぎ。
「一人を殺して1000人救う」ってアンジー言ってたけど、やってる事が真逆。
少し気を遣ってくれれば偏差値貧乏グランプリになったものを。勿体無い。
クライマックスの主人公(ジェームス・マカヴォイ)の動きが一瞬、中途半端なガン=カタに見えましたがご愛嬌って事でいいのかな。