デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

この有り得なさは「アリ」だが…。 ウォンテッド

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ファイト・クラブ」の語り口で「マトリックス」を焼き直し「カンフー・ハッスル」で味付け・・た後500倍に希釈。

 

「ウォンテッド」
(2008年/ティムール・ベクマンベトフ監督)


スナップを効かせると弾道が弧を描くという「物理って何?」な設定が素敵。

訳の分からない液体に浸かると打撲も骨折も数時間で直るという「医学って何?」なロシア風呂も堪りません。

アクションも文句無し。これでもうちっと脚本が良けりゃ言う事無しなのですが。

超一流暗殺者のDNAに目覚めたボンクラ野郎の大冒険…なのですが、人も組織も薄い薄い。

いくら荒唐無稽たって、人間の行動にはそれなりの説得力というものが要るでしょう。

あと無関係な人&生き物殺しすぎ。

「一人を殺して1000人救う」ってアンジー言ってたけど、やってる事が真逆。

少し気を遣ってくれれば偏差値貧乏グランプリになったものを。勿体無い。

クライマックスの主人公(ジェームス・マカヴォイ)の動きが一瞬、中途半端なガン=カタに見えましたがご愛嬌って事でいいのかな。