デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

光あれ! 寂寞感漂うユルSFの金字塔。 ダークスター

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『お前の存在意義は何だ?』

『爆発することだ!』

侘しく寂しく美しい・・資金不足をも味わいに転化させるカルト監督のデビュー作。


「ダークスター」(1974年/ジョン・カーペンター監督)

製作・監督・脚本・音楽がカーペンター。そして、プロダクション・デザイン、特殊効果、共同脚本&出演がダン・オバノン。最強タッグです。

宇宙船ダークスター号のお仕事は、植民地開拓のため、不安定惑星を探して爆破する事。

狭いにも程があるコクピット、まったりと流れるカントリー、退屈を極めて悟りを開いたかのような船員の日常、どこか投げやりなメイン・コンピュータ、思索する爆弾、冷凍保存されて日に日にボケていく船長・・・何もかもが素晴らしい。

絵的にはダークスター号が、急ブレーキをかけたようにピタリと停止する図がアホ臭くて大好きです。

勿論、ラストの伝説的名シーンも。

「ダークスター」公開の5年後にオバノンは「エイリアン」の脚本を書くわけですが、既にその萌芽がそこかしこに。

女性声のメイン・コンピュータ、ダクト内部でのエイリアン捕獲戦(デザインはビーチボールに脚付けただけですが)、宇宙船爆破サスペンス・・・。

「エイリアン2」で、ビショップがやっていた“手の指の間にナイフをトントン!”をオバノン本人がやっていたのはちょっとびっくり(「2」の脚本はキャメロンですが、オバノン・オマージュだったのでしょうか)。

ジャンル分けの難しい映画ですが、やはり“サーフィン映画”で括りたいですね(笑)。