デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

お茶目なサイコ親父がクロロホルムで自分探し? 失踪

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「娘にとって私はヒーローだ。だが、正義だけではなく、悪にもなれる事を証明しなければ娘の賞賛に値しない」

すまんが、その理屈、俺にはさっぱり分からんぞジェフ。

「失踪」(1993年/ジョルジュ・シュルイツァー監督)

ドライブインで忽然と失踪した彼女(サンドラ・ブロック)を執念で探す彼氏(キーファー・サザーランド)のお話。

と書くと「ブレーキ・ダウン」のような映画を想像するかもしれませんが全然違います。

もうド頭からジェフ・ブリッジスが、クロロホルムの人体実験(ストップ・ウォッチ片手に気絶時間計って、誘拐の移動距離を計算している)している描写があるので(観客にとっては)謎の失踪でも何でもなくて、ただの誘拐です。

失踪から3年。未だに捜索を諦めないキーファー君の前にジェフ親父が。

「彼女に起こった事を知りたければ、この睡眠薬入りのコーヒーを飲め」

飲まねぇよ、普通。相手は素顔晒した上に自家用車でお出ましなんだぜ。追い詰める方法はいくらでもあるだろ(実際、キーファーの新しい恋人は、車のナンバーからジェフの実家と山荘を割り出しています)。

冒頭の独白も犯行の動機としては「何じゃそりゃそりゃ」。

あ、あとキーファーとサンドラの乗った車がトンネル内でガス欠した時、キーファー君は車をトンネル内に放置して徒歩でガソリン買いに行ってますが、ちょっと待て。

君ら、車の上に自転車積んでるじゃん。まず、車押してトンネルの外に出て、自転車でお買い物に行くのが筋だろう。

という訳で、実に締まらないサスペンス映画でした。

関係ないですが、キーファー君、角度によってお父っつぁんと瓜二つの表情見せますね。さすが親子(チャーリー・シーン田村高廣にも同じ事がいえますが)。