『虎は病気で死にました。長生きするとは思わなかったんですがね。でも、ず~っと一緒でしたからねえ、ちょっと寂しいねえ。これで私もひとりぼっち。散々悪い事してきましたからね、今更人並みの幸せを欲しいだなんて思いません。でも、独りは、独りは、怖いなあ』
長門裕之にこの台詞は反則だよなあ。
「湯けむりスナイパー[お正月スペシャル]」(2010年1月2日テレビ東京)
殺し屋だった過去を捨て、秘境の温泉宿で仲居として働く男、源さん(遠藤憲一)。
ここを訪れる“ワケあり”な人たち。いくらでもサスペンスフルな展開が可能なのに、見事に何も起こらない。実に素晴らしい。
50年間想い続けた小学校時代の先生にプロポーズする「50年愛」。
50年愛って単に年齢差だけの話じゃないです。実年齢が半端無い。普通なら、何か裏とか思惑とか下心とかありそうなものですが、これがない。本当にない。マジ純愛。
プロ二軍の崖っぷちピッチャーが湯治に訪れる「春よこい」。
『最後くらい一流の選手みたいにゆっくり体を休めて欲しいの。だから、何もしちゃ駄目よ。あなたは昔から練習しすぎなんだから』
何か起きるのかと思ったら何も起きない。妻の言いつけを守って本当に何もしないで一週間。キャッチボールをしていた源さんと番頭さん(でんでん)の球を拾っても投げ返さず手渡すだけ。
『あの・・頑張ってください。来年。頑張ってください!』。
ちょっと「プリズンホテル」を思わせる一見変化球な直球勝負。
そして、源さんの過去を知る謎の男Q(長門)、突然の訪問。
東京で何かあったのか? 今度こそ何か起きるのか?!・・起きないぃ(笑)。
何と言うか、一服の清涼剤のような新作エピ3本でした(←正月に見た唯一のテレビ番組)。