好きな要素はたぁくさんあるはずなのに何故ダメなんだろう。
「グリーン・デスティニー」
(2000年/アン・リー監督)
北京の夕景がドンと出てきた時は息を呑みましたよ。
竹林の中で沖雅也似のチョウ・ユンファと藤純子似のミシェル・ヨーがお茶を飲む時の額に嵌めたかのような収まり具合は正に一服の画。
少林寺ではなくウーダンというのも何かマニアックでいい感じ。
ワイヤー・アクション(と言うか武侠)は元々ああいうものだから、踏み切ってなかろうが地球の物理法則を無視していようが何の問題もありません。美と笑のせめぎ合いに身を委ねていればそれでよろし。
では何が駄目なのか。
登場人物の行動原理がよう分からんという脚本の弱さか。
唯一チャン・チェンだけは「お前が欲しいぜベイビー」しか頭にないので実に分かりやすいのですが、残念ながら彼のエピソードがまるまる不要。
やはり脚本の酷さか・・・それもありますがそれだけでは・・。
分かった! 生意気可憐なロリフェイス、チャン・ツィイーと小股の切れ上がった美熟女ミシェル・ヨーの隣に妖婆がいるからだ!
往年の名女優に対して失礼極まりないですが、ロリと美熟女でクラっときた所にチェン・ペイペイにアップで出て来られると萎えちゃうんですよ。
しかも、登場するなり「師匠は私の体を弄んだ」みたいな恨み言垂れるもんだから更に嫌気が・・。
更に、そんな婆さんに○○れちゃうユンファの不甲斐無さにぐったりがっくりばったりぽっくり。
一般的にはここ泣き所みたいですが、私は全然。「おいおい何だよこのオチは(怒)」でしたね。
婆殺してヨーと結ばれて、ツィイーは碧名剣持ってウーダンへ、でいいじゃん(チャン・チェンのシーンは全部カット)。
これで90分に収めてくれたら(私の中では)大傑作になったと思います。