デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

合掌、藤田まこと。 新・必殺仕置人


『俺ぁ死なねぇぞ。いざとなったらカカアとババアぶっ殺してでも生き延びてやる』

と言っていた藤田まことさんが17日、お亡くなりになりました。

動脈瘤破裂。76歳。

藤田さんと言えば中村主水。個人的シリーズ最高傑作は、

「新・必殺仕置人(1977年1月~11月放送)


このシリーズ、視聴率低迷のカンフル剤だっただけあって、設定とキャラ立ちが半端ありません。

個人主義の仕置人を組織として束ねる“寅の会”(元締は元阪神タイガース藤村富美男)。

句会の揚句に織り込まれた標的と仕置金額の競り落とし。

寅の会のルール違反者を処刑する死神(原崎健三←遮光式アイマスクがかっちょいい)。

趣味は女と骨外し・念仏の鉄(山崎努)、短筒大好き・鋳掛屋巳代松(中村嘉葎雄)、そして昼行灯・中村主水

何が素晴らしいって、ガキがいないのですよ(若者代表は火野正平)。

中村主水も仕事人以降のセコ突きじゃなく、真っ向勝負の太刀捌き。

色合いも仕事人以降の淡いブルーじゃなくてビシッと締まった黒(いやあ、改めて「仕事人」以降は私の好みじゃないことを実感)。

季節で言うと「夏」のイメージ。空はピーカン、夜は満月。祭太鼓の喧騒と退廃・・(真逆のイメージが必殺仕業人。冬の寒風と寂寞←これはこれで風情があって良い)。

最後の中村主水が秋の空っ風みたいなジャニーズDE必殺になってしまったのは返す返す残念でなりません。

ご冥福をお祈りいたします。