デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

この改竄は罪だぞ。 ランボー/最後の戦場[特別編集版]

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特別編集と言えば聞こえはいいが、この改竄は罪だぞ、BSジャパン

 

ランボー/最後の戦場[特別編集版]」
(2010年2月1日BSジャパン)


残酷シーンをちいっと削って、過去シリーズのフラッシュ・バックやら、未使用フッテージやらを付け足してマイルドにする、ここまでは許容範囲。

※まあ全編、肉片血柱の人体破壊博覧会なので、少しくらい残酷描写カットしても覚醒剤にビタミン混ぜる程度の効果しかありませんが・・。

許し難いのは、戦場に赴く決意をする時のランボーの独白。

オリジナルでは、「お前は殺人機械だ。運命に身を委ねよ」みたいな事を言っていたと思うのですが、特別編集版では、理解するのしないの赦すの赦されるのってな教会の説教みたいなナレーションに挿し変わっておりました。

おいおい、これじゃランボーが神の教えに導かれてキリスト教支援団体を救出に行くみたいに見えちゃうじゃないか。

ランボーミャンマーに行くのは、そこに“殺し合い(=生)”があるからで、サラの救出なんか単なる口実だべよ。

主人公の行動原理を勝手に変えるってどうよ?

しかし何度見ても、こいつら(サラ様御一行)腹立つなあ。他人が自分の思惑通り動かないと手前勝手な正義振りかざして糾弾し始めるんだから始末に負えん。

おかげでカレン族襲撃シーンが「イケイケ、ミャンマー・アーミー!」に…。

この映画の凄い所って、人体破壊もさる事ながら、破壊された人体が数日経つとどうなるか、という“人体腐敗”までも克明に描き切った事だと思います。