アイデアとセンスがあれば映画はここまで面白くなるというお手本です。
「ヒドゥン」(1987年/ジャック・ショルダー監督)
人体に寄生して本能の赴くまま強奪と殺戮を繰り返すエイリアンと、そのエイリアンを追って地球に来た異星人(と協力する刑事)の戦い、と書いてしまえばありきたりですが、実に良く出来ています。
真っ赤なフェラーリとハードロックが大好き、というエイリアンの性格で掴みはOK。
全編、ロックとカーチェイスと銃撃戦で、ちょこっとヒューマンというサジ加減もナイス。
で、何気に出演者がオールスター。
FBI捜査官としてエイリアンを追う異星人に「ブルーベルベット」で耳拾ってたカイル・マクラクラン、相棒の刑事に「フラッシュ・ダンス」でジェニファーこましたマイケル・ヌーリー。
最初の寄生者が「ランボー」追ってた警官クリス・マルケイ、2番目の寄生者が「バタリアン」のクルー・ギャラガー、んで3番目に寄生されるストリッパーが「マニアック・コップ2」のヒロイン、クローディア・クリスチャン。
更に留置所の中にはダニー・トレホ。どうですかお客さん、正にB級オールスター大運動会じゃあございませんか。
唯一の難点が音楽編集。カーステでロックガンガン掛けながら逃走するフェラーリとパトカー、というシーン。音楽が犯人側描写の時しか流れないので、カットが変わる度に音楽もブチブチとぶった切られるのよ。これが妙に勢いを殺いでてね。
それ以外は文句無し。アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリ。
※終わりまで観て、はて、この物語展開と同じものをどこかで観たような・・凶悪なエイリアンを追ってきた正義の異星人、巻き込んだ地球人と○×△□(ネタバレのため伏字)・・・。
・・・ウルトラマンだ!!!