デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

冒頭10分だけは神! ドーン・オブ・ザ・デッド

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間もなく待ちに待った「ゾンビ新世紀完全版5枚組DVD-BOX」が発売されます。

今日は景気づけ(?)でこれを。

ドーン・オブ・ザ・デッド

(2004年/ザック・スナイダー監督)


始まって10分は文句無し100点です。

日常が瓦解してデストピアに突入していく様子を一気呵成に魅せ切っています。

この時点では「走るゾンビ? アリ、アリ。追え、走れ、噛め!」なイケイケ状態。

ところが! タイトル・バックが終わって話が本題に入った途端、急ブレーキ。もう笑っちゃうくらいテンションだだ下がり。

ショッピング・モール内に先行篭城していた警備員たちとの不毛な小競り合いが始まると「だあ~、鬱陶しいなあ、とっとと皆殺しにしちまえよ!」

更に他の生き残りが大挙乱入するに至っては「どーでもいいよ、お前らなんか!」

武装バス・フェチとしては、クライマックスの脱出行はそこそこ盛り上がりましたし、「サンゲリア」リスペクトなオチも嫌いじゃありません。

ただ、そこに辿り着くまでが、ウザすぎ、タルすぎ、緩みすぎ。

全く同じパターンだったのが「28日後」。前半の共同生活~脱出決意までは緊張と弛緩(和み)のバランスがいい感じだったのに、軍隊と遭遇した途端、全てがどーでもよくなってしまいました。

“人間対ゾンビ”という図式が与件としてあるのだから、主人公(たち)以外の登場人物なんざ単なる邪魔者でしかありません。

オリジナル「ゾンビ」も、全編を主人公4人で通しているからドラマとしての安定感とメリハリがあるのに(ヘルズエンジェルはちょっと別物)、何でこんな余計なキャラ作るのでしょう。

この作品の正しい見方は、まず、冒頭の10分を見てタイトルが出たら「28週後」に替える、だと思います。

※ご参考