ハード・ボイルドとかフィルム・ノワールは、饒舌な感情表現を避けるものですが、 これは“主役のキャラが立っている”という大前提があって初めて成立します。
カミさんを“不倫中の脳梗塞”という下痢腹に浣腸な理由で亡くして酒びたり、命無用のカミカゼ捜査、悪い奴らはとりあえず殺して証拠は捏造・・必要悪なやさぐれ刑事。
実に美味しいキャラですが、キアヌの能面が仇。
「フェイク シティ ある男のルール」
(2008年/デヴィッド・エアー監督)
警察組織の腐敗・不正というお話は正直言ってありきたり(オチ、バレバレ)。
意外性を棄てた分、雰囲気とキャラ立ちが問われますが、これが実に中途半端。
「リーサル・ウェポン」のメル・ギブソンが「真夜中の刑事」のイヴ・モンタン的状況に追い込まれた感じ、ではあるのですが、役者(特にキアヌ)が記号的演技しかできないので深みも厚みもありません。
感情のタメがないというか、喜怒哀楽のみならず、脆さ強さ儚さがまるで・・。キアヌ、少しは顔の筋肉使えよ(それでも「地球が静止する日」に比べれば大分マシですが)。
結果、展開もオチも「ああ、そうですか、分かりました。ま、どうでもいいけど」。
生身の人間描くなら、もちっと脚本に血を通わせてくれないと。
(キアヌが表情作って演技した作品って「ビルとテッドの地獄旅行」くらいしか思い浮かばないですね…)
★ご参考