主要メンバー全員死に絶えた前作の世界観を踏襲した必殺シリーズ第11作。その第1話。
「新・必殺からくり人/東海道五十三次殺し旅・日本橋」(1977年11月18日放送。早坂暁脚本/工藤栄一監督)
天保の改革(のとばっちり)で江戸所払いとなった「泣き節お艶一座」。
彼らの裏の顔は晴らせぬ恨みを晴らすからくり人。彼らに殺しの依頼をしてきたのは、絵師・安藤広重(緒形拳)。
『東海道五十三次の絵には、鬼が刷り込まれているんですよ』
13枚の絵に隠された鬼を退治する「東海道五十三次殺し旅」の始まりです。
メンバーは、お艶(山田五十鈴)、小駒(ジュディ・オング)、ブラ平(芦屋雁之助)、塩八(古今亭志ん朝)。
ここに、蛮社の獄で幕府から追われている蘭学者・高野長英(近藤正臣)が合流。
なんと実在した人物が二人も(殺しに)絡んでいるという異色作。
ブラ平の得物は、呑み込んだ油を蝋燭に吐きつける火炎放射(KISSのジーン・シモンズがやってる奴の応用編ですね)。
ここに高野長英・・オチはご推察の通りです(史実では薬剤で焼いたそうですが)。
今回は音楽面の新しさは無くて、「必殺仕掛人」と「必殺仕置人」のいいとこ取り。景気のいいBGMがばんばか流れて豪儀です。