デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

熟女も少女も一目惚れ! ペイルライダー

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レミントン・ニューモデルアーミー…痺れます。

「ペイルライダー」
(1985年/クリント・イーストウッド監督)


自作「荒野のストレンジャー」のセルフ・アレンジって事になってますが、やはり被るのは「シェーン」のイメージ。

ただ、ヒロイン(婚約者のいる未亡人)サラ役のキャリー・スノッドグレスが撮影当時38歳くらいにしちゃあ老け過ぎで、いくら鼻孔を広げてもロマンスの香りはビタ一文。

15歳の娘メーガン(シドニー・ペニー。撮影当時13歳くらい)がイーストウッド(当時54歳くらい)に惚れるという自画自賛ロリコン設定も「おいおい」。

何より二人がイーストウッドに惹かれるきっかけとなるシーンが皆無。つまり、何かあったから惚れたんじゃなくて、イーストウッドだから惚れた・・と。

ってな訳で、人間ドラマとしての深みはありません。この手の西部劇としては致命傷ですが、それでもこの映画が好きなのは、

メーガンが朗読する聖書の一説(青白い馬に跨った“死”が黄泉を従えて現れる)に符合して登場するイーストウッドのかっちょ良さ。

実は亡霊なのではと思わせる「ウェスタン」のハーモニカ(ブロンソン)と「超極道」の哀川翔を足したようなイーストウッドの佇まい。

シリンダーごと交換するニュー・モデル・アーミーのかっちょ良さと、復讐の銃弾を自らの背中に刻印された大量の銃痕と同じ形に叩き込むガンプレイの鮮やかさ。

といった素ん晴らしいシーンがあるからです。

ん? 嗚呼、結局イーストウッドがかっちょいいって事か。そりゃ理由なんかなくたって熟女も少女も一目惚れだ。ご馳走様。

イーストウッド、5月31日で80歳! 因みに俺は昨日で・・(以下略)。

※参考:「殺しが静かにやってくる」→2008年2月18日
    「ウェスタン」→2008年8月17日