『おめえ、変わったな。その、なんちゅーか・・白いぞ』
仁義の墓場から腐ったヤクザがコンニチハ。
「実録外伝 ゾンビ極道」(2001年/佐々木浩久監督)
実録? はい、実録なんです、恐ろしい事に。
冒頭、戦後を駆け抜けた厄ネタヤクザの一生が証言を交えつつ淡々と語られます(ナレーションは監督自身!)。
そのモデルが石川力夫である事は一目瞭然。墓石に彫られた“仁義”の二文字と共に彼の亡骸はヤクザの墓場へ。
時は流れて現代。
神奈川県川崎市にシマを張る暴力団三島組。弱虫ヘタレヤクザ大場(小沢仁志)は敵対組織川端組のアタマを弾くヒットマンに任命されてしまいます。
イヤイヤ仕事を遂行しますが、これが罠。三島組と川端組の政治的策謀に利用された大場はその場で敢え無く蜂の巣。
死体は近所の山の中へ。そこには“仁義”の二文字を刻んだ墓石が・・。
伝説のヤクザの怨念が乗り移り、大場は不死身の復讐鬼“ゾンビ極道”として蘇った!
早速、事務所に向かうも返り討ちにあって海の藻屑。しかし、翌日には頭に昆布ぶらさげてリターン・トゥ・ホーム・・。
いやあ、書いていて実にアホらしい。しかし、撮ってる方は大マジメ。
以前御紹介した「FULL METAL極道」も罠に嵌ったヘタレヤクザが憧れの兄貴と合体して蘇る話でしたが、どちらもアホアホな設定のくせに哀愁漂う男のドラマになっていて侮れません。
対決モノのブームは去ってしまいましたが、誰か(三池さんあたり)「FULL METAL極道vsゾンビ極道」作ってくれませんかね。
※参考:「FULL METAL極道」→2008年2月18日