ナチス・ドイツの残党ナチス会が出した謎の指令-“今から2年半の間に65歳の公務員94名を殺害せよ”
指揮者はドクター・ヨーゼフ・メンゲレ。人呼んで“死の天使”。
「ブラジルから来た少年」
(1978年/フランクリン・J・シャフナー監督)
グレゴリー・ペックが演じたメンゲレの蛮行については以前触れたので、今回はローレンス・オリビエが演じたエズラ・リーバーマン(写真上)について。
リーバーマンのモデルはサイモン・ヴィーゼンタール。生涯で約1,100人のナチス戦犯逮捕に貢献したと言われるナチ・ハンターです。
晩年の顔写真観ると劇中のリーバーマンと良く似ています。この人、2005年まで生きていたんですね(死亡時96歳)。
メンゲレがブラジル(!)で死んだ(海水浴中の心臓発作)のが1979年。つまり、この映画撮ってた時は、ギリギリで虚実混同の現在進行形。
歴史的・国際的陰謀が、実際には邂逅叶わなかった爺さん二人の取っ組み合いで幕を閉じるというスケールが大きいのか小さいのか分からないエンディングが素敵です。
エンディングと言えば、大昔、地上波で流れた時にあったラストカットが以降どのバージョンにも見当たらないのは何故でしょう(今回観たのはケーブルテレビ)。
短いカットですが、これがあるのと無いのとでは作品の印象がかなり変わってきます。
例えば「オーメン」で、グレゴリー・ペック(!)が警官に撃たれた所で終わるのと、葬儀場でダミアンがニコっと笑うシーンで終わるのとでは全然違うでしょう?
それくらい大事なカットなのですが、公開国によるバージョン違いがあるのでしょうか。
この映画、日本未公開なのでどれがオリジナルなのか分からないのよね・・。
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