さあ、ニューヨークに行くぞ。行って僕らを引き剥がしたあいつらに復讐だ。
忘れ物はないかな…おっと、バスケット・ケース、バスケット・ケース。中に大切な…
…お兄ちゃんを入れて。
「バスケットケース」
(1982年/フランク・ヘネンロッター監督)
異形の兄弟・姉妹シリーズ、大トリです。
お兄ちゃんは奇形。頭と短い腕だけの「魔鬼雨」で溶けかかったO次郎。バケラッタどころか「うがおー!」しか言えません。怪力とテレパシーの持ち主。
弟は、五体満足。でも気弱でお兄ちゃん無しには行動できません。
そんな因果な「元」シャム双生児の兄弟が、兄を引き剥がして棄てた父と医者に復讐するという心温まるお話(ホント、いい話だなあ)。
この映画をカルトたらしめているのはひとえにお兄ちゃんの造型。
基本マペットなのですが、要所要所でストップ・モーション・アニメに。
弟のデートに嫉妬した兄が安ホテルの一室で大暴れするシーンは悪夢なのか冗談なのか、可笑しくも恐ろしい狂った名シーンです。
長谷川初範ちょい似の弟と、ナンシー・アレンを安~くしたような彼女も“いい感じ”。
ニューヨークの雰囲気や色彩が「タクシー・ドライバー」に似ていると言えなくもないとは言えない辺りも好印象(安ホテルのオヤジはいい味出してます)。
★ご参考