『わたしのアソコ見たい?』
『見せなくても好きだよ』
嗚呼、「小さな恋のメロディ」から幾年月。イギリスの子供たちは素敵な会話ができるようになったんだねえ。おーい、トレーシー・ハイド、マーク・レスター、元気してるか?
「リトル・ダンサー」
(2000年/スティーブン・ダルドリー監督)
「ブラス!」「フル・モンティ」と並ぶ“イギリス・炭鉱・どん詰まり”映画。
“男はボクシングかサッカーかレスリングだ!”という価値社会の中で、バレエ・ダンサーを目指す11歳の少年ビリー。
ビリーの父親と兄は炭鉱ストのリーダー格。クリスマスに亡き妻のピアノを叩き割って薪にしなければならない程追い詰められてもストを続けた父がビリーのために裏切り者(スト破り)の汚名を着るシーンは泣けます。
『父さん、何故こんなことを?!』
『俺たちに未来があるか? もう終わりだ! だがビリーには希望がある。あいつの夢を叶えてやりたいんだ!』
全編を彩るT-REXのナンバーが素晴らしすぎ(ビリーの兄が逮捕される所はクラッシュの“ロンドン・コーリング”。これがまたツボ)。
丁寧に丁寧に描写を重ねて、一気にすっ飛ばすラストも“お上手”。
「白鳥の湖」をこんなに良い曲だと思った事は後にも先にもありません。
★ご参考