デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

えっと、どこが「死霊のえじき」? デイ・オブ・ザ・デッド

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もしこれが「パラダイス・アーミー/悪魔の毒々バタリアン」というタイトルで公開されたのならなんの文句もありません。

しかし、リメイクを謳ったとなると、ちいっと事情が変わります。

これのどこが「死霊のえじき(Day Of The Dead)」なんだ?

デイ・オブ・ザ・デッド

(2008年/スティーヴ・マイナー監督)


オリジナルは、地上がゾンビに覆われたデストピア社会(人類は生き残った軍人と科学者が地下で細々と暮らしている)でしたが、リメイクはコロラドの片田舎で謎の疾病が蔓延した“初期段階”。

もうスタートから「は?」です。

死者が蘇るのではなく、病原菌が発症して凶暴になる・・ってそもそもゾンビじゃねえじゃん(以下、発症者と呼称)。

で、こいつらロメロの大嫌いな全力疾走型・・を豪快にフライング。3階4階のガラス窓ぶち破って飛び降りてくるわ、忍者の如く壁や天井這うわ、やりたい放題。

武器も器用に使いこなすし、「死霊のえじき」と言うよりは、「ザ・クレイジーズ」+「ナイトメア・シティ」+「バタリアン」です(足した後500倍に希釈)。

で、話がちゃんとしてりゃあまだ救いがあるのですが、脚本が超テキトー。

ミーナ・スヴァーリが拳銃に実弾装填しない理由を「長い話よ」で誤魔化した挙句、放置。結局、答え合わせ無しで実弾乱れ撃ち。前振りにも伏線にもなっていません。

母親の面倒を見ない弟を散々なじっておいて、発症した母親を弟の目の前で轢殺。呆然とする弟に「あれはもうママじゃない」って、おいおい。

最初のうちは発症者を「一応人間だから」と避けて走っていたのに、何故か途中からバカスカ轢殺。お前人格障害なんじゃないか。

オチも「え、それで万事OKなんすか?」な能天気エンディング。

ミーナ・スヴァーリのロリフェイスとホラーのアンバランスさはある意味“美味しかった”ですが、“~of The Dead”の看板掲げるには作り込みが浅過ぎです。

★関係者はオリジナル100回観直しの刑。