噛まれると“人喰い”になるという、小学生も騙せない大嘘を“ベトナム後遺症”と結びつけてエロ・グロ・アクションにしてしまうという、どこを非難していいか分からない全方位不謹慎映画ですが・・そこがいいじゃないですか。
「地獄の謝肉祭」
(1980年/アンソニー・M・ドーソン監督)
ベトナムで捕虜になったチャーリーとトムは人肉の味を覚えてグルメの道へ。
救出時、トムに噛みつかれたノーマン(ジョン・サクソン!)もやがて人肉を渇望するようになり・・。
冒頭のベトナムシーンは犬大爆発、あからさまな耐火スーツ着込んだベトコン女が大炎上(写真下)となかなかに気合が入っています(ヘリの画のみ画質が違うのはご愛嬌)。
帰国したものの皆“あの味”が忘れられず、チャーリーは映画館でエッチしてる女の喉を、トムは看護婦の太ももを、そしてノーマンは隣の家の少女の腹(脚本ではマ●コだったそうですが、サクソンが監督に直訴して変更に)噛んで、グルメ復活宣言。
太もも噛まれた看護婦は医者の舌(脚本ではチ●コだったそうですがサクソンが・・以下略)噛み切って仲間入り。
世間に受け入れられない趣味を持ったマイノリティ4人組は人の眼を逃れて地下水道へ。
地下水道と言えば、ワイダの「地下水道」や「第三の男」ですが、鼠燃やしたり、ドテッ腹に風穴開けたりと、原典に対して不誠実の極み(イタリアン・スピリッツですね)。
しかし最期には「バタリアン・リターズ」的哀感と余韻が。
ただ風呂で屁をこいたような音楽はダメダメ。これをゴブリンとかに差し替えるだけで相当印象変わると思います。
DVDには監督、サクソン、チャーリー役のジョン・モーゲン(「地獄の門」で頭にドリル刺されてた人ね)のインタビューが54分に渡って収録されています。
監督はタランティーノに本作を褒めてもらった事がよほど嬉しかったようで、何度もその話題に触れておりました(可愛いおっさんだ)。
※参考:ジョン・サクソンと言えば何はさておき・・
「サモハンにお仕置き。ジャッキーは瞬殺。燃えよドラゴン」
→2010年3月3日