デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

逆・ススムちゃん大ショック! ザ・チャイルド

イメージ 1

風光明媚なスペインの小島で子供が大人を皆殺し。

太陽燦々、内容辛酸な「逆・ススムちゃん大ショック」です。

「ザ・チャイルド」(1976年/ナルシソ・イバニエス・セラドール監督)

冒頭、延々8分かけて、いかに子供が大人の身勝手の犠牲になってきたかをニュース・フィルムで説明(ホロコーストとか朝鮮戦争とかインドシナ内戦とか)。

本編で、子供が大人を殺す動機付けを歴史的・世界的な悲劇に求めようとしているのですが、内容に照らして納得力ゼロ。

監督は「(ニュース映像は)頭ではなくお尻に付けた方がメッセージ性が強まった」と言っていますが、私はバッサリ無い方が良いと思います(米国版は潔くまるっと割愛)。

そんな理由付けしなくたって子供は不気味な存在ですし、特に理由もなく無邪気に命を奪うものです(カエルやトンボが人間になっただけ)。

映画自体はカルトの名に相応しい(最早リメイク不能な)名作(追記:2012年に謎の覆面監督マキノフによって完コピリメイクされました)。

逆さ吊り爺さんの下で、目隠しをした少女が長鎌振り回して爺さん切り刻む「人間ピニャータは歴史的名シーン。

ただ、一言文句を言わせてもらえれば、主役夫婦の行動が甘すぎ

「うわ、この島なんかヤベえぞ」と思ったらとっとと逃げろ。何故そこでハンドルを切る? 何故銃を捨てる?

逃げられる時に逃げろ。轢く時ゃ轢け。で撃つ時ゃ撃て。「誰が子供を殺せるか?」はこの映画のテーマであり原題でもありますが、この状況なら余裕で殺せるでしょ。

子供好きの人は子供嫌いになるだけで済みますが、妊婦の方は精神衛生上間違いなく悪影響を及ぼしますので避けた方が無難です。