『取引だの願い事だのにも興味はない。人間、手前の手の届く範囲のことだけきっちり考えればいいんだ。いいか、俺は曲がったことが大嫌いなんだ』
春アニメが大挙して動きだしました。その数優に60本越え。まるで青梅マラソンのスタートラインの様…っておかしくないかこの数字!?
一体何人のアニメーターがいればこの数支えられるのよ。
という訳でとてもじゃないですが、半分はおろか1/3もフォロー不能。ゴーストが囁いた作品のみ恒例「第1話くらいは観てみよう」エントリーとします。1発目は、
「アリスと蔵六/第1話・赤の女王、逃げる」
(2017年4月4日BS11放送/佐々木純人演出)
監督は桜美かつし。「ふらいんぐうぃっち」撮った人ですね。
メインビジュアルから現代版「ハイジとアルムおんじ」みたいな話かと思っておりましたが、背景がとんでもねー設定になっていました。
政府と癒着する製薬会社の地下にある“研究所”で管理(隔離)されている“アリスの夢”と呼ばれる特殊能力を持った子供達。
その中のひとり“赤の女王”のコードネームを持つ少女・紗名が脱走。追手(捕獲部隊)の追撃をかわしつつ…という「AKIRA」+「カムイ外伝」な建て付けが(初回を観た限りでは)まるで響かず刺さらずツボ突かず。
う~ん、どうでもいいなぁ、そんな話…と思ったあたりで蔵六爺さん登場。一気に話が面白くなります。
相手が子供だろうが筋は通す、拳で語る。人間国宝にしたい頑固一徹親父。
歌舞伎町を根城に裏社会にも顔が利く謎の爺の職業は…花屋?
研究所から出たことがないので世間も常識も知らない紗名と一歩引かないゼロ距離教育を繰り出す蔵六の掛け合いは実にいい感じ。
政府系の人は時々「ああ、そう言えばいたね君たち」程度の登場(もしくは証拠隠滅の便利組織程度の扱い)に留め、特殊能力を持った少女と頑固爺の異文化交流に力点を置いて欲しい所ではありますが…。