『あのな蔵六。私は人間になりたい。
人間っていうか…もっとちゃんとしたものになりたい。
うまく言えないけど、たくさん知りたい。
人間のことや蔵六や早苗のこと。
世界がどこまであるのかが知りたい。おいしいものがいっぱい食べたい。
それでもっとちゃんとしたものになりたい』
何と5話にして大団円。素晴らしすぎる最終回。第1部堂々完結。
「アリスと蔵六/第5話・帰るところ」
紗名を拉致したミニー・Cがいるタンカーへ“召喚”された蔵六。
拘束された上に銃を突きつけられる状況で、紗名に生き方を諭し、ミニー・Cに説教かます象が踏んでも壊れない不動の平常心。
そこに頼もしすぎる援軍到着。
『内閣情報捜査室特務機動班 一条雫。お二人の身柄は我々が預かります』
実力未知数の一条さんでしたが、とんでもねえ能力の持ち主でした。
『576番から580番 術式2-4 麻痺属性を付与』
通常、アリスの夢(能力者)が使えるトランプ(召喚できる武器や能力)はひとりひとつ(ミニー・Cの場合は亡くなった旦那の腕を千手観音のように扱える)。
が、一条さんのトランプは666の兵器と13の魔法書を収めた魔法の物置。
言ってみれば、ミニー・Cがどこでもドアしか持っていないのに対して、一条さんは四次元ポケットを使うことができる、みたいな感じです。
『…嫌なんですよね。本気を出すのは。手加減ができませんので』
チートを越えたチート。和装熟女vs魔法メイドの勝敗はメイドの圧勝。
一桁台の魔法を使う時は手加減不能の魔法メイドに変身する一条さん。
ミニー・Cは未成年者略取・暴行・傷害の疑いで現行犯逮捕。研究所関係者も次々お縄に。
おいおい、ラスボスだと思っていた研究所があっさり壊滅しちまったぞ。
ちょっと変わった女の子が蔵六の家に転がり込んでくる、その状況を作るための枕だったと言う事か。ううむ。
蔵六の手を取って夜空を翔るアリス。
『いい眺めだ。すごいな』『だろう。私はなんだってできるんだ』
ひょっとしてこれからはアリスと蔵六と早苗のわくわく日常ランドが展開するのか。
紗名の可愛さに悶絶する早苗が可愛い。
それはちょっと(いやかなり)楽しみ。