デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

男前だぞ、パム・グリア。 悪魔の改造人間

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上司に殺された挙句、改造人間(死体蘇生)の実験台にされてしまった科学者カール。

ロボコップ」のバッタもんみたいに扱われていますが、製作はこっちが1年前。

邦題から察するに配給側(ヘラルド)が意図したのはSF版「悪魔の植物人間」だったのではないかと。

「悪魔の改造人間」

(1986年/ジャン・クロード・ロード監督)


改造人間のコスチュームが火星探査用に開発された宇宙服ってのが、悪く言えばフル・フェイス・ヘルメット+金色ウィンドブレーカーの貧乏仕様で、「おいおい、庵野帰ってきたウルトラマンかよ!」。

でもまあ、その下にスタン・ウィンストン・スタジオがデザインした“それなりの”骨格(良く言えば銀色のハカイダー)があったので、一安心。

制御装置装着前に覚醒・脱走したカールは復讐を開始。

研究所所長のホワイトも“ハンター”と呼ばれるプロを雇って追撃を開始。

このハンターが何とパム・グリア

登場シーンで剣道・・相手に蹴り入れてメーン!って剣道に足技なんかないぞ。

一匹狼かと思いきや証拠・証人隠滅部隊のようでチームでカールを追いつめて行きます。

しかし、攻撃してくるもの全てに無差別反応する殺戮マシーンと化しているカールはことごとくこれを撃破。死体の山を築きつつ本丸へ。

身重の妻を残して改造人間にされてしまった科学者の悲哀みたいなものも上手に表現されていて中々に好印象(B級テイストが哀しみを上塗り)。

冷酷非情に証人を消していくパムのオットコ前な仕事ぶり(と死にっぷり)も相まってちょっとした“拾い物”になっています。

タンジェリン・ドリーム丸パクリなポール・ザザのシンセサイザーもチープ感煽りまくりでいい感じです。

※参考:「悪魔の植物人間」→2009年6月3日