デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

とことん東映。ルガー渡瀬見参。 大激闘 マッドポリス’80

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「大追跡」のレビューをした時に“次はこれで”とリクエストしましたが、本当にやってくれました。


偉いぞ、ファミリー劇場

「大激闘 マッドポリス’80/第一話:マフィアからの挑戦」
(1980年4月8日・日本テレビ放送/関本郁夫監督)


しかし、製作が東映になるだけでこうもカラーが変わるとは。

「大追跡」(製作:東宝)にあったスマートさやユーモアは綺麗さっぱり消えてなくなり、ギスギスした殺伐感が前面に。

の割りにやってる事は完璧に漫画。それはオープニング・ナレーションで一目(一聴?)瞭然。ちいっと長いけど全文引用します。燃えるぞ。

1980年代、日本の暴力団は幾多の内部抗争と政治との黒い癒着の末全国統一を成し遂げ、さらに海外のマフィアと手を結び日本全土を制覇する巨大な犯罪組織を形成した。ジャパンマフィアの誕生である。警察庁はこの巨大組織の壊滅を目的とし選りすぐりの精鋭部隊を編成し、ジャパンマフィアに戦いを挑んだ。この部隊の唯一の目的はジャパンマフィアの壊滅である。恐れを知らぬ彼らの行動を、組織は、"MP"すなわち"マッドポリス=命知らずの警官"と呼んで恐れおののいた

馬鹿ですねえ。ジャパンマフィア!略してJM。マッドポリス!略してMP。

MPのヘッドは渡瀬恒彦(初代は土屋嘉男ですが一話で殉職)。得物はルガーP08。

ルガー持った刑事なんか他に知りません(って調べたら「太陽にほえろ」でボスが使っていた事があるらしい・・恐るべし石原裕次郎)。

第1話はJMの全国統一記念幹部総会をMPが追うというもの。

JMの構成員を河川に追い詰めたMP(志賀勝!)が「総会はいつどこでやるんじゃコラ」と凄んでいると、後から銃弾が飛んできて構成員射殺。

おお、口封じか、と思ったら橋の上でライフル(M16)構えた渡瀬恒彦が。

『そんな小物追っかけたって何も出てこねえよ』

そ、そんな小物を後から射殺っすか?!若手MP(中西良太←ミスタースリムカンパニー!)の拳銃奪った直後ではありますが、思い切りの良い人です。

なんせ裏じゃ兄貴がレミントンぶっ放してましたからね。なりふり構っていられなかったんでしょう(笑)。

紅一点は堀川まゆみ。4代目クラリオンガールですが、この後、武智鉄二の「華魁」を直前降板して芸能界追放という素敵な運命が待っています(現在は作曲家)。

で、MPナンバー2役が梅宮辰夫。斬り込み隊長に片桐竜次。もうコッテコテの東映印。刑事モノなのに基本図式が軍団抗争。

初回ゲストは中尾彬(伝説のヒットマン役)。素敵過ぎ。

あとは脚本の無茶ぶりを大野雄二が景気のいい音楽でかき消してしまえば万事OK。

残念ながらターゲット層が狭すぎて(当たり前だ!)視聴率は散々でしたが、テンションの高さは特筆もの。変に人情持ち込んだり家族に媚びた回がある西部警察よりある意味潔いと言えるかもしれません。

当然、次は「特命刑事」ですよね、ファミリー劇場さん。

※参考:「大追跡/第1話:ハイエナが集まった」→2010年3月8日