以前に観た時は“酷ぇ映画だなぁ”という印象しかなかったのですが、今回再見して確信しました。ホントに酷ぇ映画です(←褒めています)。
「発狂する唇」(1999年/佐々木浩久監督)
連続美少女殺人事件の犯人として逃走中の兄、倉橋美智夫(鈴木一真)。無実を信じる母と妹たち。自宅を取り巻いて嫌がらせを続けるマスコミと野次馬。
と書くと、なにやら社会派の香りがしてきそうですが、いやあ・・(照笑)。
高橋洋の脚本は破綻に破綻を上塗りして完全崩壊(わざとね)。
真面目に紹介しても仕方ないのですが、謎の女霊媒師(由良宣子)が殺された首無し女子高生を“使い魔”として放っている間に、助手の当麻(下元史郎!)が、お母ちゃん(吉行由美)犯って、姉(夏川ひじり)犯って倉橋家制圧。
妹(三輪ひとみ!)は、ゲ○吐きながら超能力覚醒させて刑事の首ひねり潰し、別の刑事の死体に犯られ、周囲にはFBIを名乗る謎の男(阿部寛!)とパツキン女ルーシー(栗林知美)が暗躍し、テレビの中にはじっとこちらを見つめる大杉漣が・・。
嗚呼、書いてて虚しいわ。
やがて話は、邪悪な何者かの復活を画策する霊媒師と、それを阻止せんとするFBIと、殺された女子高生の遺族と倉橋一家による壮絶なバトルロワイヤルへ。
霊媒師の祈祷が“イア!イア!”なので、邪悪な影とはクトゥルフかも知れません(クトゥルー神話だったのか!)。
やたらゲ○吐きまくる三輪ひとみ。突如、心象風景を歌に託してフルコーラス歌い切る三輪ひとみ(しかも音程がウルトラ微妙)。勃起したまま死んだ刑事(諏訪太郎!)の首吊り死体と下元史郎にサンドイッチ・レ○プされる三輪ひとみ・・正に三輪ひとみフルスロットル満漢全席。
もう何と言うか・・素晴らしい!
演出凡庸、演技稚拙、特撮大笑い(首無し死体の首くらいCGで消してやれよ)、脚本確信犯的大破綻、非の打ち所だらけで隙間無し。
海よりも深い懐と、ゲテモノ喰いな胃袋と、映画にドラマツルギーなど求めないアナーキーさを兼ね備えた選ばれし者(世間では変人と呼ばれる)にだけお薦めします。
で、何とこのハチャメチャな話には続き(アナザー・ストーリーかな)が・・。
以下「血を吸う宇宙」に続く。
※写真上は首が捩れた刑事(服を後ろ前に着た刑事ではない)。
※写真2段目は使い魔となった首無し女子高生(無理に下を向いている女子高生ではない)。