日本の年間自殺者数が15年ぶりに3万人を下回ったそうです。
まだまだ洒落にならない数値ではありますが、減少傾向になったのは喜ばしい限り。
さて、季節柄、映画関連媒体各社がベストテン、ワーストテンを発表しております。
今年の目玉は園子温監督でしょう。
キネマ旬報では「希望の国」がベスト9にランクインするも、映画芸術ではワーストの1位2位を独占(1位「希望の国」、2位「ヒミズ」)!
詩人としては満足に足る結果なのではないでしょうか(笑)。
と言うわけで、自殺者の減少と園子温監督の躍進を記念して、
「自殺サークル」(2002年/園子温監督)
帰宅ラッシュの新宿駅で、54人の女子高生が手を繋いで集団飛び込み。
笑いながら、何かの遊びのように。
そして始まる自殺の連鎖。
事件なのか、事故なのか。翻弄される警視庁刑事・黒田(石橋凌)と渋沢(永瀬正敏)。
掴みはOK過ぎるくらいOKなのですが、お話は徐々に出口無用、終点不在、着地拒絶な袋小路へ…。
風呂敷広げたいだけ広げて畳む気無し(畳めなくなったのではなく、最初から確信犯的に畳む気が無い)。
色々と深読みしようと思えば出来るのでしょうが、多分徒労(理屈と辻褄の混入を頑なに拒絶しています)。
破綻に破綻を重ねた結果生じる不快感を愉しむ、そういう類の映画です。
一種の変態映画と言えるかもしれません。詩人の視覚野に投影された現実社会がどのような像を結んでいるのか知りたい方はどうぞ。
間違ってもエンターテイメントを期待してはいけないのですが、Rollyだけは「お前、ロッキー・ホラー・ショーの物まねがしたかっただけだろう」的異物感を発散して“いい感じ”でした。