デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

マサ斉藤に免じて。 オーバー・ザ・トップ

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お話だけ見ると可も無く不可ばかりな80年代の残滓って感じなのですが、当時、業界をブイブイ言わせていたジョルジォ・モロダーによる「マサ斉藤のテーマ」(正式タイトルは“The Fight”ですが)が素晴しすぎるので、二階級特進

 


妻(金持ちのお嬢様)と息子を捨ててトラッカーとなったリンカーン・ホーク(シルベスター・スタローン)と息子マイケル(デビッド・メンデンホール)の和解の物語・・

なのですが、お約束とは言え、金持ち教育を受けた息子は可愛げ無いし、娘と孫を溺愛(=支配)する富豪爺はムカツクし、スタローンの生き様語りは薄いわ軽いわでどうにもこうにも。

ただ、アーム・レスリングというニッチで地味だが直球勝負の題材を持ち込んだことで、前例も後続もない“腕相撲映画”というワン&オンリーなジャンル映画にはなっています。

ここに、“マサ斉藤のテーマ(になったのは後の話だけどさ)”、一瞬登場のテリー・ファンクスコット・ノートン(この時はまだアーム・レスラー)と昭和プロレスファンのツボを突いたアクセントが華を添えて、クライマックスはそこそこの盛り上がり。

サミー・ヘイガーwithヴァン・ヘイレン、ケニー・ロギンズ、エイジアなど“いかにも80年代”なBGMもお好きな方にはお薦めです。

因みにサミー・ヘイガーの「オーバー・ザ・トップ」はスコット・ノートンの入場テーマ、ノートンにプロレスの手ほどきをしたのがマサ斉藤でした。