デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

御慶! ウディ・アレンの(中略)SEXのすべて(後略)

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あけましておめでとうございます。

今年は兎年。兎で思い出す映画と言えば、「怪奇!兎男」(観てないけどさ)、「ドニー・ダーコ」、「夢の仕掛け人、因幡くん登場(うる星やつらOVA)」などがありますが、せっかくの機会なので、こんな口実でもなければ絶対扱わない監督の作品を。

ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう」(1972年/ウディ・アレン監督)

長ったらしいタイトルですが、原題が“EVERYTHING YOU ALWAYS WANTED TO KNOW ABOUT SEX BUT WERE AFRAID TO ASK”なので文句は言えません。

ウサギが出て来るのはオープニングとエンディングだけ(しかも本編との関連無し)。にもかかわらず、日本版チラシのメインビジュアルに大抜擢(写真中)。

観終わって印象に残るのは、ウサギよりも男を惑わし虜にする魔性の羊デイジー(写真下)だったりするのですが、まあ、一応“ウサギ映画”という事で。

完全にあっちの世界(曼荼羅畑とは彼岸と此岸)の監督ですが、本作の徹底したアホ臭さ(時に悲哀すら感じる)は賞賛に値します。

SEXをテーマにした7つのエピソードから成るシモネタオムニバス。

絵的には巨大な乳房が大暴れ、な「SFボイン・パニック」が頭抜けてますが、何と言っても白眉は、魔性の羊デイジーに惑わされて身も心も持ち崩していく医者の悲劇を描いたソドミーって何?」でしょう。

医者を演じたジーン・ワイルダーは彼のキャリアで1.2を争うのではないかと思える名演技を披露しています。

視神経を司令室に、体の各部位が連携しながらSEXを成功に導く「ミクロの精子圏」も素敵です(バート・レイノルズが出ている!)。

尻尾を付けた全身白タイツで精子に扮したウディ・アレンが、射精前に悲しげにハーモニカを吹くところとか絶品。

年初からシモネタで恐縮ですが、本年もよろしくお願い申し上げます。