デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

玉梓が怨霊? スウィートホーム

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長らくスルーしておりましたが、本作のファミコン版ゲームがプレステ版バイオハザードの原型と聞いてちょっと食指が動きました。

バイオ攻略に人生の相当量をつぎ込んだ者として、無視する訳にはいきません。

 

スウィートホーム
(1989年/黒沢清監督)


黒沢監督のメジャー・デビュー作ですが、製作総指揮が伊丹十三。なので宮本信子が強制セット(一種の罰ゲームですね)。

曰くありげな洋館に取材に来たテレビ・クルーが酷いメに会う「ヘルハウス」リスペクト(外観の撮り方とかかなり意識している)なゴシック・ホラー・・

なのですが、黒沢監督のオーソドックスな恐怖演出と、ディック・スミスの無駄にド派手な特殊効果と安いにも程がある役者陣(宮本信子山城新伍古舘伊知郎NOKKO)が見事にバラバラで混沌の坩堝。

親玉悪霊・間宮婦人のマペットな動きに「まるで玉梓が怨霊だな」と思ったら、しっかりクレジットに辻村ジュサブローの名前が。

エクソシスト八犬伝・・和洋折衷・・なのか?

うまい具合に醗酵すれば“カルト”になったかもしれませんが、知名度優先のキャスティングが全てぶち壊して残念無念。

特に伊丹夫妻は、どんな役柄であっても“伊丹夫妻”なので、白け度MAX。

伊丹組ではなく、今の黒沢組でリメイクしたら物凄く面白い映画になると思います。

クレジットの最後に“ディレクターズ・カンパニー”の文字を発見してちょっと切なくなりました。