長らくスルーしておりましたが、本作のファミコン版ゲームがプレステ版バイオハザードの原型と聞いてちょっと食指が動きました。
バイオ攻略に人生の相当量をつぎ込んだ者として、無視する訳にはいきません。
黒沢監督のメジャー・デビュー作ですが、製作総指揮が伊丹十三。なので宮本信子が強制セット(一種の罰ゲームですね)。
曰くありげな洋館に取材に来たテレビ・クルーが酷いメに会う「ヘルハウス」リスペクト(外観の撮り方とかかなり意識している)なゴシック・ホラー・・
なのですが、黒沢監督のオーソドックスな恐怖演出と、ディック・スミスの無駄にド派手な特殊効果と安いにも程がある役者陣(宮本信子、山城新伍、古舘伊知郎、NOKKO)が見事にバラバラで混沌の坩堝。
親玉悪霊・間宮婦人のマペットな動きに「まるで玉梓が怨霊だな」と思ったら、しっかりクレジットに“辻村ジュサブロー”の名前が。
エクソシストと八犬伝・・和洋折衷・・なのか?
うまい具合に醗酵すれば“カルト”になったかもしれませんが、知名度優先のキャスティングが全てぶち壊して残念無念。
特に伊丹夫妻は、どんな役柄であっても“伊丹夫妻”なので、白け度MAX。
伊丹組ではなく、今の黒沢組でリメイクしたら物凄く面白い映画になると思います。
クレジットの最後に“ディレクターズ・カンパニー”の文字を発見してちょっと切なくなりました。