回を追う毎にスーパーサイヤ人化していくミラジョボ版バイオを観るにつけ「ったく分かってねーなアンダーソン」「洋館探索でゲームのような恐怖を味わいてぇ」と思っておりました。
本来であれば、ゲーム版準拠のリテイクは「溜飲下がりまくり」になるはずだったのですが…。
う~む、映画としてはミラジョボ版が正解だったのかもしれません。
「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」(2021年/ヨハネス・ロバーツ監督)
ゲーム版2作目をベースに1作目を取り込む変則構成なのですが、これが無理筋。
そもそもゴシックホラーな1作目(アークレイ山地で消息を絶ったラクーン警察の精鋭部隊S.R.A.R.S.ブラボー・チームの捜索に向かったアルファ・チームがズルズルベロンな野犬の群れに襲われ、逃げ込んだ洋館で恐怖の一夜を迎える)と、アクション・アドベンチャーな2作目(ゾンビの街と化したラクーンシティで偶然出会ったクレアと新人警官レオンが協力しながら街からの脱出を図る)は、カラーも時間軸も登場人物も異なる別のお話。
更にアンブレラ社が傭兵部隊を送り込んでラクーンシティを制圧した上で空爆、全てをなかったことにする3作目(「Last Escape」)まで取り入れて107分。
よくまとめたとも思いますが、全編駆け足速足早送りで落ち着きというものがありません(恐怖を演出したいのならもちっと腰据えろ)。
キャラ設定もオリジナルから100万光年で違和感満開。
ウェスカーは全く悪役になっていませんし、レオンはポンコツ新人のお笑い要員。かろうじてクレアだけがオリジナルのイメージを保っていましたが、兄クリスともどもラクーンシティの養護施設(運営は勿論アンブレラ)で育ったとかいう追加設定はいらないなあ。
リサ・トレヴァー(写真右)は「会ったら逃げろ」な死神で心通わすような相手じゃねえです。
人種変更はポリコレで仕方ないとして、クリスがジルに片思いで、ジルはウェスカーに夢中って言う設定はどうなんでしょ。
あちこちにゲーム版の小ネタを散らしていますが全部ダダ滑り。
「かゆ…うま」の出し方とか、違う、そうじゃない(笑)。
アンブレラ社がラクーンシティを撤退(移転)して、残っているのは一部社員と昔からいる住人のみという設定は「要塞警察」っぽいと思ったら、監督がカーペンター・マニアだそうで。
OPのクレジット・フォントは「パラダイム」と、EDのクレジット・フォントは「物体X」と同じものを使っています。
レオンのキャラは「ゴースト・ハンターズ」のジャック・バートン(カート・ラッセル)をモデルにしているらしいのですが、いやいやいや、それは違うだろ。
登場クリーチャーも大幅間引きで華が無い。
お金は掛けなくて良いので、きっちり洋館と寄宿舎再現して、最後はタイラントと一騎打ち、ED後にラクーン・シティもえらいこっちゃな画を入れてズバ切りエンドで「2」に繋げれば良かったんじゃないかと思います。
★オリジナルの恐怖(と爽快感)を味わいたい方は…
★作品は大好きですがここで引用すべきじゃない…
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★本日9月16日はジョージ・チャキリス(1934~)の誕生日(90歳!おめでとうございます!)
もうこれしか思いつかない!というくらいの代表作。
★本日のTV放送【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】