唸りを上げて宙を舞い、被せて落として首を刈る。
人呼んで血滴子。英語名THE FLYING GUILLOTINE。日本語名は、
「空とぶギロチン」(1975年/ホー・メンファ監督)
雍正帝が組織した諜報・暗殺・秘密工作部隊“血滴子”(←これは史実)。
彼らが暗殺の武器として使用した遠隔飛来型首斬り道具がいつしかその組織名をとって血滴子と呼ばれるようになりました(←これは大嘘)。
映画ではまず首斬り道具・血滴子が開発され、これを自在に操るギロチン・マスターを育成するため、12名の精鋭が選抜されます。
そも、空とぶギロチンとは何ぞや。
見た目は黄金色に輝くお洒落な帽子(てっぺんに鎖が付いている)。
これをフリスビー&投げ輪の要領で投げ、相手の頭に被せると、帽子のつばの部分がスルリと下りて首輪のようになります。
そこで、鎖をエイっと引くと、首輪部分に内蔵された刃が飛び出して首チョンパ、という仕組みです(音で表すと、“ギュイィーン!ズボ!スルスル。ジャギーン!”)。
血滴子は雍正帝に反する(というより気に喰わない諫言を申し立てた)文人・家臣を次々粛清。さらに内部抗争、内部告発により仲間まで手にかける事に(連合赤軍だな)。
チーム随一のギロチン・マスター、マー(チェン・カンタイ)は、組織の在り方に疑問を感じて脱走、抜け忍(?)に。
マーの首を刈らんと追撃を開始するギロチン部隊。流しの歌い手と夫婦になり、農民として生きる決意をしたマーでしたが、討手の足音はすぐ後まで。
二度と使うまいと心に決めた血滴子を再び手にした時、マーの家族を守る戦いが・・。
要するに「カムイ外伝」ですね。
魅せ場は何と言ってもギロチン対ギロチンの攻防戦(秘技・ギロチン返し含む)ですが、個人的にグッと来たのは流しの歌い手リュウ・ウーキー。
彼女が手傷を負ったマーに自分の服をかけてやるシーン。
チャイナドレスの上着を脱いで諸肌出した彼女が何と言うか“裸エプロン”みたいな図になって妙に淫靡(写真上)。
実はこのシーン、本編にはなくて(脱ぐ直前にカット)、スチールでしか見る事ができないのですが、入れて欲しかったなぁ。