家族を失った悲しみを怒りの銃弾に乗せて・・という初期コンセプトを爆風で彼岸の彼方に吹き飛ばしたDeath Wishシリーズ第3弾。
「スーパー・マグナム」
(1985年/マイケル・ウィナー監督)
シリーズなのに邦題の共通点皆無。関連性があると思われるのが嫌なのかヘラルド?
ニューヨークに旧友を訪ねたポール・カージー(チャールズ・ブロンソン)。
しかし、友は街一帯を仕切るストリート・ギャングに殺され、自らは容疑者として拘束されてしまいます。
警察署長シュリンカー(エド・ローター)は、ブロンソンを名うての自警団ポール・カージーと見抜き、釈放・黙認と引き換えにゴロツキの一掃を打診。
署長さん、見た顔だと思ったら「ロンゲスト・ヤード」の看守長演ってた人ね。
主人公を痛めつけて、交換条件出して従わせて、でも最後は友情を感じ・・ってキャラ丸被りやないかい。
ストリート・ギャングの暴れっぷりは、「ロボコップ」の近未来デトロイト並み(ただし、出来たのはこっちのが先)。
来たのは人ではなく、箱。中にはシルバー・メタリックの大型拳銃ウィルディ・45マグナムが。
邦題見た時は“44オートマグ”の事かと思いましたが、2年前にハリー・キャラハンが使用済みなので、更に大口径の45マグナムにしたようです。
ハナっから殲滅目的なのでとっとと皆殺しにしちゃえばいいのですが、尺の都合もあるので、小競り合いを繰り返しつつ無駄に被害者を増やして怒涛のクライマックスへ。
マグナム、軍用機関銃、サブマシンガン、手榴弾、火炎瓶etc。カージー+自警団×ストリート・ギャング×警察で、最後は完全に市街戦。ビル爆破、車炎上、人蜂の巣。
西部警察だってここまで凄い事はしないでしょう。
燃え盛る街を背に立ち去るカージーの後姿は、地獄の水戸黄門か、世紀末救世主伝説か。
※参考:「狼よ、さらば」→2008年1月29日